3週間の教育実習課程が終了しました。
先週には終わっていたのですが、成績表と実習日誌を受け取るまでは自分の中で
この実習が終わっていなかったような気がしていたのでやっと「終わった」って思いました。
実習は私にとってすごく良い経験になりました。
先生になるってことだけじゃなくて、人生として長い考えとして。
たくさん嬉しいこともあれば、たくさん落ち込むこともありました。
担当教官は本当に良い人で先生のコピーではなく、自分なりの授業をさせてくれました。
そして無駄な書類を作るならたくさん生徒と話せる方が良い実習だろうと言ってくださり、
そんな時間をたくさん頂けました。だから私は担当教官が誰よりも恵まれてたと思います。
6人の実習生のうち、私と1つ上の6大学出身の男の子が社会科で同じ教官に付きました。
私とその彼、立○くん正反対の性格で授業展開も正反対でした。
立○くんは指導法に則った、教科書通りのいわゆる先生受けする授業。
私は教科書を副教材として生徒と対話する授業。
どちらが良いとも悪いとも言えません。それぞれに課題はあります。
でも担当教官はそんな私の授業を良いと言ってもくれたし、更なるステップアップの
ヒントも書ききれないほどくれました。
私は最初の1週目、授業をやることが楽しくて仕方なかった。
生徒が楽しそうで、それが嬉しかった。
もし先生になれなかったとしても、残りの塾講師生活で今まで以上の発展と生徒へ
良い授業ができるようにと沢山のことを吸収して帰りたいと思った。
2週目、教官が私にくれた最大の課題、良い事と悪い事は紙一重であり、
良いトコ取りを使うという事にとても悩んだ。
自分に足りない立○くんの良い所を取り入れてみて自分に合わなく失敗もした。
本当に先生に向いているのかその適性に苦悩した。生徒もギクシャクしてしまった。
3週目、私は今まで教官が教えてくれたことは気をつけることやアドバイスとして
もう1度私なりの授業をした。生徒が笑って楽しそうにしてくれた。
私は最後の精錬実習の前、沢山悩んだ。
自分の評価を考え実習生らしい授業をするか、私なりの授業をするか。
考え抜いた末、私は生徒にとって楽しめる授業にした。
先生方の評価で総合的には良い評価をもらえなかった。
反省会ではボロボロに言われた。生徒を考えた、生徒と触れ合う授業だったが、
実習生として指導法の面ではNGだと。
話は変わるけど立○くんには実習中、かなりいろんな事を言われた。
私の初授業、初回と考え評価すると大成功した。
その日の放課後、立○くんは「大学名で人を見ちゃいけなかったね」と他の実習生に
もらしたそうだ。私は実習生の中で学歴的には1番低かったからね。3流大ですし。
私は実習中、毎日の教官と立○くんと毎日行われる授業反省会で教官にいつも
生徒全体にきちんと気を配っている、授業パフォーマンス、コミュニケーション能力など
を高く評価して貰えていた。
立○くんは授業内容の簡略化やスムーズさを褒められていた。
教官は「桜華さんのそういうところを立○くんは学ぼうね」とよく言った。
そうするとプライドの高い立○くんは実習生控え室でずっとため息をついて
「だめですね~僕は。生徒はなつかないですからねえ」といやみも言われたw
私達は正反対だった。私は担当クラス以外の生徒とも仲良くなれちゃう子だったからね。
立○くんのことマジでムカつくこともあった。でも今は感謝しているよ。
同じ教科が2人いたから、私と正反対だったから、私は沢山学べた。
自分の良い所も悪い所もね。そして更なる磨きもかかった。
生徒にとって中学校生活でたった1回のそこの授業単元。
先生は全クラスやるんだから何分の1かもしれない。でも生徒にとっては1回。
実習生だから解らなかった。と生徒に思われたくない。彼らの貴重な授業を私達の
実習という名の練習で台無しにしたくない、そんなことを考えながら授業をやってた。
最終精錬実習で彼は生徒を見て話せるようになった、板書がキレイになった、
成長したね、指導法をきちんと考えて出来ていたよとお褒めの言葉をたくさんもらった。
私は注意が多かった。中には私の授業に良い評価をくれる先生もいた。
だけど私自身の成績をつけるものとして考えたら受け入れられなかったんだんな。
今までたくさん良い所を教えてもらったのに凄く落ち込んだ。
何で生徒が3分の1寝る、全然聞いていない、生徒と対話の無い先生がしゃべるだけの
立○くんの授業がこんなにも評価されるのか解らなくもなった。
今だったら解るよ、彼は彼なりに成長したから。だから評価された。
彼は指導法という面を大切にした。学生らしい授業をできたんだね。
私はでもその後何が良い授業なのか解らなくなった。
最後の反省会で立○くんは私の批評で注意点を述べた後に「でも生徒とのコミュニケーション
能力や授業を楽しませる力だけは見習いたいです。」と言ってくれた。w
だから笑顔で「お褒めに預かりありがとうございます(はあと)」って言ってやった。
私は最後にこう言った。
「私は確かに指導法としては良い授業展開をすることが出来ませんでした。
私には1つ裏のテーマがありました。私の授業で生徒に残るものがあったら成功だと
いつも考えて授業をしました。それは社会科が嫌いだったり苦手な子にとって私と授業した
ことでちょっとでも興味を持って楽しいと思ってもらえたら、社会科が得意な子にとって
教科書に載らないくだらない雑学などから自分で調べたり勉強する意欲が生まれたら、
そして社会科が嫌いでも好きでもない子にとってそれが得意科目になるきっかけになればと
そんなことを考えて授業をしました。そういう点から私は教壇から生徒達を見ていて興味
関心を育てる上では成功したと思いたいです。」
私は精錬実習から2日間、すっごく落ち込んだ。ミスばっかりした。
でもね、立ち直る出来事があった。
私は毎日生徒の日記にコメントをつける仕事があった。
生徒達はそこに私の授業へのコメントを本当に素直に書いてくれる。
中には嬉しいことも痛いこともある。
精錬実習までの間、とても生徒の意見を聞いて何度も授業の改良もした。
そこに精錬実習に対してのことを翌日から皆が書いてくれていた。
「今まで地理ってね、つまんないし良く解んないって思っていたのね。
でも授業を簡単な言葉にしてくれるじゃん、そして例をだしてくれるでしょ。
すっごく解りやすかったんだよね。もう1人の実習生よりも(笑)
だから中間テスト頑張るよ、見ててね!」
これはクラスで1番勉強ができない女の子の日記。
他にもホームクラスじゃない授業をしに行くクラスでも精錬授業と同じ範囲の授業は
とても盛り上がった。そして生徒達からすごく楽しかったなどのコメントをもらえた。
私はね、先生達からの評価の声でかなり落ち込んだ。
でもね、評価をくれるのは先生だけじゃなかった。
私の大学の成績表には付かないけど、何よりも大切な評価があった。
生徒自身の私への評価。どの実習生よりも楽しかった、解りやすかった。
社会科やってみようと思った。
これらが私にもう1度勇気をくれたと思う。
そしてこう思った。
私、やっぱり先生になりたい。
実習残り2日が中間テストだった。
生徒達は問題の多い社会科をほとんど埋めていた。
テストが終わると「先生聞いてよ!マジ100点いくかもよ!!」とか
「今までで1番良かったのー埋まったんだよ!?」って報告してくれた。
結果、皆の社会科の平均点は通常よりとても良かったそうだ。
最後の日、帰りのHRで私のお別れ会をしてくれた。
私はそんな準備気が付かなくて泣いてしまった。
生徒も泣いちゃってて、皆が最後に歌を歌ってくれた。今までで1番きれいだった。
教室から実習生室に帰る間、授業で行っていた他のクラスの子達もお別れに来てくれた。
両手いっぱいの手紙やプレゼントを貰って生徒達とずっと泣いてた。
塾での私の担当生徒も悟が実は私のホームクラスの隣のクラスで、教室から出て来た時に
泣いているのを見て「早く一緒に塾へ帰ろうね。もう違う先生やだかんね」って言って
「塾では怒鳴ってて泣いたりしないのにねー」って頭を撫でられてしまった。
塾で個別指導講師として過ごした3年間で身に付けた生徒との絆の作り方、
そして講習にやってきた集団授業講師として学んだ個人の差やそれを中和する
授業方法など、他の実習生にない武器になったと思う。
そして教官が言った生徒を引き付けられる授業展開、コミュニケーション能力、生徒を1番に
考えることは私の天性であるという言葉、すごく大切にしたい。
成長できたと思う。自分の実力褒められて自身も持った、プライドもずたずたにされた。
でもそれって良い事だと思う。
私ね、すごく高い評価を生徒にもらえたと思う。
それは大学の教授達には見えないけれど、すごく貴重でAAの評価より何より大切だと思う。
by cerisier_aimer
| 2005-06-23 18:45
| 本業と夜のオシゴト